SSブログ
スポンサーリンク

変わる大学と入試 [社会]

大学入試2.jpg
今後大学が変わります。
大学が変わるとは、時代要請の「新たな学習教育機関」になるということである。またそれに連動して、各大学がどのような学生に来てもらいたいかを入試時点で明らかにする「アドミッションポリシー入試」が必然化している。一言でいえば、各大学入試が「要件入試」へと変わるということである。すでに各大学には文部科学省から、それぞれの大学の「AP・CP・DP(アドミッションポリシー・カリキュラムポリシー・ディプロマポリシー)」を開示することが求められている。つまり、自分の大学は「どのような学力やスキルを持った生徒に来てもらいたいか」、「どのようなカリキュラムで学生を育てるのか」、「どのような資格を与えて卒業させるのか」を明示しなければならなくなっている。
これまでの「文学部・経済学部・工学部」などの大雑把な括りでの学生募集は必然的になくなっていく。「専門学校化」したかと思われるほど細分化された名称での学生募集が開始されていく。同時に、各大学が実施する入学試験も「個別的・独自入試」となっていく。センター試験に代わる「大学入試共通テスト」では英語入試に「英語4技能」を評価する民間の検定試験を導入することも検討されていた。実際には2021年7月30日に文科省が正式に断念し見送られたが、すでに個別入試においては、それを受けて国公立や難関私立大学を中心に実施され、大学間の差別化が進行している。

各大学の独自な英語入試は次の如くである。
--------------------------
●東京大学 学部英語コース特別選考 出願条件:
TOEFL iBT スコア 100 点以上、IELTS 7.0 以上、ケンブリッジ英検グレードB 以上。
●一橋大学商学部 出願条件:
英検1級、TOEFL iBT スコア 93 点以上、CBT 237 点以上、PBT 580 点以上、
IELTS (Academic Module) Overall Band Score 6.5 XE.
●東京外国語大学 学校推薦型選抜 出願条件:
英語4技能の資格検定試験である、「CEFR との対照表」でB2 以上を取得している者。
●上智大学国際教養学部 公募制推薦 出願条件:
TOEFL iBT スコア83 点以上、IELTS 6.5 以上、TEAP340 点以上。
●立教大学 異文化コミュニケーション学部 自由選抜 出願条件:
TOEFL iBT スコア 72 点以上、IELTS 5.5 以上、TEAP309 点以上
●中央大学 法学部 英語運用入試 出願条件:
TOEFLiBT スコア 80 点以上、IELTS 6.0 以上、TEAP300 点以上、英検準1級以上。
● 国際基督教大学 教養学部アーツサイエンス学科 英語外部試験利用型 出願条件:
TOEFLiBT スコア 79点以上、IELTS 6.5 以上、GTEC CBT 1300 点以上   等
----------------------------

大学入試はセンター試験が廃止され、入試は、ポートフォリオ入試を含む新学力観に基づく「AO(アドミッションズ・オフィス)入試(現・総合型選抜)」が拡大する。その時の評価として採用されるのが次の3種のカテゴリーである。
① リーダーシップ性
②クリエイティブ性
③ 感性(非認知能力)
同時に、入試科目は「合教科型」・「総合型」* となる。さらに、今次学習指導要領で強調されるのが「探求」である。「理数探究科目」が導入される。*「合教科・科目型」「総合型」とは、各教科の区別がなくなり、理系の問題に文系の要素が入ってくるなど、総合的な学力が問われる問題。

前述したように大学の「在り方」そのものが大きく変わり、次のように3種に種別化
されていく事が考えられる。
A. 研究職養成の「高度学術研究大学(大学院大学)」
B. 法科大学院大学を含む専門職養成の「高度職業人育成大学(プロフェッショナル大学)」
C. 生涯学習機関としての社会人の再教育も含めた「教養大学(カルチャー大学)」
それに合わせて大学入試選抜様式も前述した次の3種に種別化されていく。
A: Competitive(競争選抜型)
B: Selective(入試要件選抜型)
C: Open door(開放入試型)

※今後、各種の変更を注意深く観察することが重要に思われます。
nice!(94)  コメント(0) 

nice! 94

コメント 0

コメントの受付は締め切りました
スポンサーリンク