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「シンガポール教育制度」について [社会]

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国がセンター試験に代わって導入するその改善の方向性を見る上で「SSAT」と並んで、次の「シンガポール教育制度」が最重要視される。

シンガポール教育制度と国の教育改革
シンガポールでは「4年制の中学校」の中に、
特別コース・上位10%快速コース・中位.50%3.普通コース・下位 40%という3コースが設定されている。

国の高校段階の「格付け・3ブロック化」のモデルがここにある。名称は異なるが、「進学重点校」や「中高一貫校」などの「上位校」のパーセンテージは「特別コース上位10%」に比類している。シンガポールの「特別コース」の「学力条件」は母国語ではなく「英語」での学習能力である。カリキュラムの特色もまた英語主体のオールイングリッシュの授業にある。また、国際教養コースに設定した第二外国語のフランス語を「オールイングリッシュ」で実施しているのも同種の目的からである。

シンガポールでは、中学の4年終了時に、「特別コース(10%)」の生徒と「快速コース(50%)」の生徒は、「普通教育修了証=GCE」の「O=普通試験」を受けて合格しなければならない。合格者のうち、優秀者は「ジュニアカレッジ(2年制進学高校)」に、それ以外は「ポリテクニック(3年制高校)」に進学する。上位校のジュニアカレッジに入学した生徒は2年後、大学受験のための関門である「GCE・A」試験を受け合格しなければならない。合格者は2つの国立大学「シンガポール大学」と「ヤンナン工科大学に入学することができる。大学入学試験は行われない。
下位校である「普通コース(40%)」の生徒は、成績によって「学術コース」と「技術コース」に分かれる。いずれも卒業時に「GCE・N」レベルの試験を受ける。合格者は次の年の「GCE・O」試験を受ける資格を得る。そして、この「GCE・O」テストに合格すれば「ポリテクニック(3年生高校)」に入学できる。他は社会に出て就職するか国外の学校を受する。シンガポールはこのように徹底した実力主義の教育制度となっている。

国の教育改革の方向性もシンガポールと同種の方向性が検討され推移してきている。この間紆余曲折もあり、先延ばしにされているものや変更点や修正点も多々見られるが、ベースとしては臨教審答申に沿って推移している。一言で言えば、一律平等主義が衰徴して、到達度別の「異年齢・異学年共修時代」に踏み込んだということである。これまでの検討課題を概括すれば次の如くである。

方向性をまとめると
① 大学の9月入試を導入し、外国語は、英・独・仏・中に韓国語を加える。また、「大学入学希望者テスト」を資格試験化して、複数年度有効の段階評価方式とする。
② 受験年齢制限を撤廃し、飛び級を認める。
③ 大学の「暫定入学制度」を導入し、1年間の成果を見てから正式入学を判断する。
④ 大学を、「高度学術研究大学、高度職業人育成大学、教養大学」と三機能に種別化する。
⑤ 大学院は、経営管理や法律、金融、公共政策などの専門家養成の「ロースクール」、「エンジニアスクール」、「ビジネススクール」などの「高度職業人育成型」の「プロフェッショナルスクール」と、「高度な研究」に携わる「研究者養成型大学院」の2種に改変する。また、大学院は学部3年からの進学を可とし、国家公務員と教員は修士号取得を要件とする。
⑥大学生に対する「成績評価制度」を導入し、落第・進学を制度化する。
⑦ダブルメジャー制度(複数分野先行制度)、インターンシップ制度(就労体験制度)、リ
サーチアシスタント制度、ポストドクトラル制度などの研究者支援制度を充実させる。

※本当は何を目指しているのか疑問ですが、着実に変革をし始めています。良い方向への変革を期待したいものです。
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