SSブログ
スポンサーリンク

ユークリッド [人物]

ユークリッド.jpg
近年ユークリッドの『原論』の全訳が出たが,私には到底読みとおせそうもない、第 13 巻の最後の,球に内接する5つの正多面体の比較なんてのは、すごく難しそうだ、昔は、「最高学府」の大学ではこれを原典どおりにやってたそうだから、オレタチもいっちょやろかなどと、「悪いジョーダン」を言う奴もいたが,そうすればおそらく皆と同じように、第1巻の最後のピタゴラスの定理あたりまでに1年ぐらいかかってしまうのではないだろうか。

ユークリッドという人物もまたわからない。プロクロス(5世紀)の頃にはギリシャ幾何学もすっかり注釈学になりさがっていたのだが,そのプロクロスの言うことには、ユークリッドはプトレマイオス1世と同時代人であったらしい。なぜなら、王がもっと安直に幾何学を理解できないかとたずねたとき、「幾何学には王道はございません」と答えた、という「伝説」があるからだ。もっとも、注釈学者というものも信用できる点があって,プロクロスがそう言っているぐらいだから,あとから伝えられた伝説はすべて後世のデッチアゲだろうと断定できる、ユークリッドのおじいさんについて語っている,アラビア人の伝承はインチキに相違ない、ユークリッドの『原論」とは言うがじつはユークリッドが作ったものではなくて,「アポロニウスという名の大工」が作ったのだ,なんてのは話をおもしろくするためだけのものだ
ろう。

要するに, ユークリッドという人物については,ほとんど信用できない、その点はユークリッドの肖像もそうで,これに関しては、子ども向きの本だが村田全の『数学をきずいた人々』には、西郷隆盛の銅像と比較したおもしろい考察が書いてある。だいたいが,プトレマイオスのアレキサンドリア王国というものが,ギリシャ知性主義とエジプト神秘主義をたして2でわったようなもので、王はなかば神だから近親相姦で, クレオパトラは弟の王と夫婦でシーザーやアントニウスともイチャツいて,ついにはマムシにかまれて死ぬという次第、今でもミイラを掘るとたたりがあり、ぼくはユークリッドの悪口をいうと良くないことが起きるそうだ。
nice!(152)  コメント(0) 

nice! 152

コメント 0

コメントの受付は締め切りました
スポンサーリンク