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先延ばし論 [社会]

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学生当時、宿題は先に終わらせるタイプと夏休みギリギリまで宿題に取り掛からないタイプがいましたが、皆さんはどちらのタイプでしたか?

なぜ先延ばしは起きるのでしょうか。おそらくそれは、学習価値判断と時間の概念が先延ばし行動に強く関わっています。

スウェーデンの動物園にいるサンティーノという雄のチンパンジーは、午後になるといつも、気に食わない見物客に小石を投げつけて過ごしますが、その小石は必ず午前中に集めておくそうです。午前中に楽しいことをする欲望より、午後に見物客に石を投げつける快感が勝るとき、先延ばしをせずに行動するそうです。
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夢や希望を持たず、単に目標だけが高い生徒は計画性が低くなる傾向にあり、具体的な進路や学習範囲を時間軸に絞って話していくと、学期の終わりには成績が上がっていきます。漠然としていた将来に具体的な価値を感じられるようになると、現在を計画的に乗り切ることができるようになるようです。

先延ばし研究の第一人者ピアーズ・スティール氏は、著書「ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか」(CCCメディアハウス)の中で、先延ばしが起きる主な要因は脳の構造にあり、特に「衝動性」が原因であることを指摘しています。

脳の機能の内、目の前の欲望を満たす 「辺縁系」と、大局的な思考で計画性を司る「前頭前野」がせめぎ合い、辺縁系が前頭前野の計画性を覆し、目の前のものごとを衝動的に優先させる時に先延ばしが起こるそうです。将来のためにいま我慢することが苦手な人が先延ばし行動をするわけです。宿題をしなければ後々苦しむことがわかっているのに、目の前の誘惑にかられて宿題を先延ばしするのは、将来の価値と現在の価値を比較した結果となります。宿題を早く終え、残りの夏休みをストレスなく楽しめることに価値を見いだせれば、面倒でもいま宿題に取り組みます。

生徒にはやはり、抽象的に考えがちな自分の将来を具体的に考えさせることによって、先延ばしせずに現在を大切に生きていって欲しいと願ってやみません。
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