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敵基地攻撃能力(反撃能力)に反対する [社会]

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日本が攻撃されていないのに相手国の領域を攻撃することは、誰が見ても先制攻撃に当たると思う。
一九七二年、当時の田中角栄首相が衆院本会議で「専守防衛のもと防衛上必要であっても敵基地を攻撃しないという基本方針は変えない」と断言している。 敵基地を攻撃すれば相手国が反撃するのは当たり前で、日本が戦場になるのは間違いない。
専守防衛を踏みにじり、先制攻撃になるようなことを閉会中に閣議決定だけで決め、自民党と公明党で合意がなされた。これは国会を軽視しているといえないだろうか。

果たして反撃能力の保持は、抑止力になるのか?

国際政治学者の遠藤乾は「東京新聞TOKYO Web」掲載のインタビュー(「相手を脅して抑止するのは幻想だ」 12月15日)の中で、日本の軍備増強の必要性を説きつつ、「反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有は「不要だと思う」と述べる。遠藤は、日本の反撃能力について、中国の脅威とはならないという。「相手基地の滑走路に撃っても1日で修復されるような被害しか与えられない通常弾頭のミサイルを仮に1000発持っても、中国のような核保有国が脅しと感じるだろうか」と疑問を呈し、さらに「移動式ミサイルを正確に破壊するのも難しい」と指摘する。むしろ、反撃能力の保持は逆効果となる可能性が高い。日本がいくら先制攻撃はしないと主張しても、相手は信用せず、それを上回る攻撃力を持とうとする。結果、「際限のない軍拡を誘発する」ことになり、日本にとっての脅威は増大化する。脅しによる抑止は幻想である。遠藤が重視するのは、戦後日本が「他国を攻撃しないという専守防衛で培った世界的な信用資源」である。日本は「専守防衛」の土台として防衛体制を強化すべきであり、わざわざ反撃能力を持つことで、大切な信用資源を捨てる必要はない。
「もっともな考え方だと思う。」

元内閣官房副長官補・防衛庁運用局長の柳沢協二も「東京新聞TOKYO Web」掲載のインタビュー 「敵基地攻撃、際限のない撃ち合いに」(1月30日)の中で、日本国憲法に基づく「専守防衛」を、非常に高度な防衛戦略と位置付ける。「専守防衛」という姿勢は、攻撃能力を持たないことを鮮明にすることで、「相手の本土に被害を与えるような脅威にならないと伝え」ている。これによって相手に「日本を攻撃する口実を与えない防衛戦略」であり、反撃能力を持つと、この戦略の前提が崩壊してしまう。反撃能力は、むしろ日本を攻撃する理由を与えることになり、国民をミサイル応酬の危機にさらすことになると論じている。

「反撃能力の保持は、抑止力にならないと思わざるを得ない。政府に一考をしてほしいと願う。」
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高等教育の将来像 [社会]

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1970年代前半には欧米で指摘されていた知識社会という考え方が日本に本格的に導入されたのは、2000年代に入ってからのことであった。 2000年代初頭に、 知識基盤経済が台頭することが指摘されていた。しかし、 知識基盤社会 (Knowledge-basedsociety) が初めて定式化されたのは、 2005年に発表
された文部科学省中央教育審議会の「我が国の高等教育の将来像 (答申)」 であった。 この答申は、次のような一文からはじまる。

「21世紀は、新しい知識・情報・技術が政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す、いわゆる 「知識基盤社会」(Knowledge-based society) の時代であると言われる。」

このように知識基盤社会を定義しているのである。そうすると、知識基盤社会と知識社会は同じことを指すのか、そうでないのかという疑問が生じる。 これについて、この答申の巻末にある 「用語集」 をみると、 類義語として「知識社会、知識重視社会、知識主導型社会等がある」と指摘されている。 答申を読み進めてみると、 知識基盤社会の特質について言及されている。
それは、
① 知識には国境がなくグローバル化が進展する。
②知識は日進月歩であり、競争と技術革新が絶え間なく生まれる。
③知識の進展は旧来のパラダイムの転換を伴うことが多く、幅広い知識と柔軟な思考力に基づく判断が一層重要となる。
④性別や年齢を問わず参画することが促進される。
の大きく4点である。 これらの知識基盤社会の特質は、P・F・ドラッカーが提唱している知識社会の特徴とほは同じである。したがって、 知識基盤社会も知識社会も本質的には同じことを示しているといえる。

結局、 知識社会とは何か。 知識社会とは、知識が重要な役割を果たす社会である。 ここから具体的に2つの点がいえる。 ひとつ目は、物理的な資本や労働よりも相対的に知識の重要性が高まるということである。 つまり、知識や情報が社会の資源の中心となる。 すると、 知識や情報をつくりだす知識労働者は高い報酬を得られる。 他方で、 サービス労働者と呼ばれる人たちは安い賃金にとどめられる。 サービス労働者は、 マニュアルなどの知識を消費しながら労働する労働者といえばわかりやすいだろう。今後、知識を持つ人と持たない人の間の格差は確実に広がっていくことが予想される。 これは知識社会における社会問題ともいえる。いずれにせよ、 高学歴であろうと職業を失うリスクにさらされる社会となる可能性がある。 私たちは、 職業を「高スキルと低スキル」 で捉えていたが、 今後はルーティンワークと非ルーティンワークで考えていくことになるだろう。 例えば、高学歴で金融を学んでトレーダーとして活躍していても、その職務がルーティンであればAIや自動化にとって代わられるリスクが常にある。 よいか悪いかの判断はおいておくにして、私たちの社会は創造性を常に求められるようになっている。


そこで知識社会のふたつ目の論点として、知識を得るためのコストが低下することをあげよう。われわれの社会は、テレビやインターネットを通じて、これまでよりも簡単に知識や情報を収集できるようになった。例えば小学生が壁新聞を作ろうとするとき、まずは図書室に行って、資料を見つけてノートに写して、教室に戻って新聞原稿用紙や模造紙に写して・・・云々。 現在では、壁新聞はプレゼンテーションソフトにかわり、 調べものはインターネットで調べる・・・などといったようにコストが低下している。このように知識が多く流通し、手軽に使えるようになることで、どのような課題が生じるのだろうか。これまでみてきたように、 知識を生み出すことによるインセンティブが高まれば、 知識はたえずアップデートされることになる。そうなると知識のライフサイクルは早まり、 陳腐化する速度も早まることになるだろう。
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エルピスは素晴らしいドラマ [社会]

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エルピス-希望、あるいは災い-

『エルピス-希望、あるいは災い-』(エルピス きぼう あるいはわざわい)は、2022年10月24日よりカンテレ制作・フジテレビ系列の「月曜夜10時枠の連続ドラマ」枠にて放送中のテレビドラマ。主演は長澤まさみ。

最近のドラマの中ではとても良い。題材視点が感心してしまいました。お勧めです。

特に冤罪事件を中心にテレビ局の実態に迫っている事は特筆に値すると思う。私はやはり、「森カケ桜」あたりの事を思い浮かべてしまう。また、その事をはじめ最も安倍元総理よりに忖度し続けたフジテレビでのドラマという事も驚きである。思い込んでみればまさしく上からの圧という現実が見えてきてしまった。

今後の展開に期待したい。演じているキャストもピッタリで素晴らしい演技をしていると思う。6%前後の視聴率は残念でならない。

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第1話のあらすじ
大手テレビ局アナウンサーの浅川恵那(長澤まさみさん)は、現在は深夜番組でコーナーMCを担当している。
そんな中、後輩の新米ディレクター岸本拓朗(眞栄田郷敦さん)から、死刑が確定している10年前のある事件が実は冤罪の可能性があると相談される。

第2話のあらすじ
12年前の連続殺人事件を彷彿とさせる事件が発生します!
模倣犯か、または罪のない人を死刑囚に仕立て上げた真犯人の仕業なのか・・
冤罪の可能性に奮い立つ恵那(長澤まさみさん)が、いよいよ動き出します!

第3話のあらすじ
拓朗(眞栄田郷敦さん)がファインプレー!?
新聞記者からの情報提供で捜査関係者にたどり着いた恵那(長澤まさみさん)は、12年前の取り調べに、ある疑惑を抱き・・。

第4話のあらすじ
恵那(長澤まさみさん)は冤罪事件に関して集めたインタビュー映像を独断で流してしまいます。案の定、恵那はプロデューサーの名越(近藤公園さん)から厳しく叱られましたが、冤罪事件の映像は想像以上の反響を呼びました。

第5話のあらすじ
揺らいでいる目撃の証言と少しずつ近づいていく真実!拓朗(眞栄田郷敦さん)の直感と執念が警察の威信を揺るがし、風向きを変える一石になるか!?恵那(長澤まさみさん)と斎藤(鈴木亮平さん)は再び近づく雰囲気もあるけど、2人の思惑はいったい・・?

第6話のあらすじ
西澤正が「松本死刑囚(片岡正二郎さん)を見た」というのは嘘でした。逮捕の決め手となった目撃証言が覆されてしまったことにより、再審は現実味を帯びることとなり、恵那(長澤まさみさん)は再び奮い立ちます。また、拓朗(眞栄田さん)がつかんだこの事実は、以前報道局に在籍していた村井(岡部たかしさん)の魂にも火をつけることとなり、事態が事態だけに報道部に任せるべきだという恵那や名越(近藤公園さん)の言葉をよそに、村井は『フライデーボンボン』で大々的に報じると宣言します!

第7話のあらすじ
いよいよ再審への突破口となるでしょうか!?飛び込んできた奇跡的なニュースに期待が高まる恵那(長澤まさみさん)!今までの疑問だった点と点がつながりはじます。そして、その先に、ある人物の存在が浮かび上がってきます。

第8話 12/12 放送予定
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